ICT化が進む介護業界の働き方改革

介護業界でもICTが取り入れられるようになってきた。そもそもICTとは、Information and Communication Technologyの略で、直訳すれば情報通信技術のことである。技術そのものを指すITとは違い、ICTは情報の活用や共有など幅広い意味で使われる。介護現場を悩ませている事務負担の軽減に向け、介護業界でも書類のデジタル化、電子化を加速化させている。

介護業界で取り入れているICTの具体的な例は、タブレットやスマホアプリでの情報共有システム、勤怠管理などの事務作業、またベッドに取り付けたセンサーにより、転倒や転落、生体反応などを確認できる見守りシステムなどが代表的だ。オンラインツールによる会議やご家族との面談など、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて導入されたICTサービスも少なくない。

ICT化を進めることで、介護職員の負担軽減が実現され、その分、利用者さんに行き届いたサービスを提供できるというメリットが得られる。厚生労働省が推進している働き方改革を進める上でもICTの活用は有効だ。事務作業などの煩雑な業務をICTツールで行えば、業務の時間短縮になる。働き方改革で、残業時間の短縮、有休休暇取得の義務化、夜勤のある施設の場合は勤務時間の見直しが行われているが、ICT化を進めることでこれらもクリアできるのだ。長時間勤務や夜勤などが多い介護職は離職率も高いが、ICT化により、長時間勤務がなくなれば、離職率を下げることができるかもしれないと期待されている。